「腕が上がらない」「服を着替えるのがつらい」「夜中にズキズキ痛んで眠れない」その肩の痛み、もしかしたら五十肩かもしれません。40代から60代にかけて、多くの方が経験する肩の不調「五十肩」。日常生活に大きな支障をきたし、精神的にもつらいものですよね。しかし、正しい知識と適切なケアを知れば、痛みは必ず和らぎます。この記事では、五十肩の基礎知識や肩こりとの違い、整体で期待できるサポート、さらにご自宅でできるセルフケアの方法までを詳しく紹介します。
五十肩とは
五十肩とは、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれるもので、肩関節の周りで炎症が起きることで痛みや運動制限が生じる病態です。医学的には、40代から60代にかけて発症することが多く、俗称として「四十肩」「五十肩」と呼ばれています。
この炎症は肩の関節を覆う関節包や腱、滑液包といった組織に起こります。これらが炎症によって固くなると、腕を動かしたときに鋭い痛みを感じたり、関節の可動範囲が制限されたりするのです。五十肩は一度発症すると、回復までに半年から1年半ほどの期間を要すると言われています。
五十肩の代表的な症状と原因
五十肩の主な症状は、肩や腕の痛みと可動域の制限です。腕を上げる・後ろに回す・外に広げるといった動作が難しくなり、洗濯物を干す、髪をとかす、背中のファスナーを閉める、服を着替えるなど、日常のちょっとした動作にも支障が出ます。
五十肩の原因は、実ははっきりと解明されていません。しかし、加齢に伴う肩関節周辺の組織の変性や、血行不良、姿勢の悪さなどが影響していると考えられています。
五十肩と肩こりとの違い
肩の痛みというと、多くの人が「肩こり」を思い浮かべるでしょう。しかし、五十肩と肩こりは全く別のものです。
肩こりは、首から肩にかけての筋肉が緊張したり疲労したりすることで起こります。デスクワークやスマートフォンの使用など、同じ姿勢を長時間続けることで筋肉が硬くなり、血流が滞ることが主な要因です。症状としては「張り」「だるさ」「重さ」が中心で、肩の動かせる範囲が制限されることはほとんどありません。
一方、五十肩は肩関節まわりに炎症が起こることが主な原因と考えられています。最大の特徴は「痛みを伴いながら肩を動かしにくくなる」点です。腕を上げる、後ろに回すなどの日常的な動作が難しくなり、痛みも肩こりのような重さやだるさではなく、ズキズキとした鋭い痛みとして現れます。
「肩が凝っているだけ」と安易に自己判断せず、腕が上がらない、夜間も痛むといった症状がある場合は五十肩の可能性を疑い、適切な対応を検討しましょう。
五十肩と勘違いしやすい病気
五十肩と似た症状を示す病気はいくつか存在します。そのため自己判断で「五十肩だろう」と決めつけてしまうのは危険です。代表的なものを以下にまとめます。
腱板損傷（けんばんそんしょう）
肩関節を安定させる役割を持つ「腱板」という腱の束が、加齢や外傷によって傷ついたり切れたりする病気です。五十肩と異なり、腕を上げようとすると痛みが走り、力が入りにくくなるのが特徴。
石灰性腱炎（せっかいせいけんえん）
肩の腱の中に石灰（リン酸カルシウム）が沈着し、炎症を起こす病気です。五十肩よりも急激で激しい痛みが特徴で、あまりの痛さに腕を全く動かせなくなることもあります。
頸椎症（けいついしょう）
首の骨（頸椎）の変形によって、神経が圧迫されることで、肩や腕に痛みやしびれが生じる病気です。
変形性肩関節症（へんけいせいかたかんせつしょう）
肩の軟骨がすり減り、関節が変形する病気です。加齢や使いすぎが原因で、徐々に痛みが強くなり、肩の動きが悪くなります。
これらは五十肩と症状が似ていますが、原因や対応の仕方が異なる場合があります。自己判断で無理にストレッチやマッサージを行うと、かえって悪化する危険性があるため注意が必要です。
五十肩に整体は有効か？整形外科との違い
五十肩の痛みや不調を感じたとき、「整形外科と整体院のどちらに行けばよいのか」と迷う方も多いでしょう。それぞれの役割を理解し、自分の状態に合わせて選ぶことが大切です。
整形外科では、レントゲンやMRIなどの画像検査を通じて、骨や関節、腱、神経といった構造的な問題を確認することができます。一方、整体院では医療行為は行いませんが、体のバランスを整えたり、こわばった筋肉や関節の動きをスムーズにするためのアプローチを行います。
強い痛みがある段階ではまず整形外科での確認が欠かせません。医師から「リハビリやマッサージで様子を見ましょう」と言われた場合や、慢性期・回復期に入って痛みが落ち着いてきた段階で整体を併用するのが最適です。
五十肩のケアに整体が役立つ理由と効果5つ
ここでは、整体が五十肩のケアに役立つ5つの理由と効果をまとめました。
肩関節の可動域を保ちやすくする
五十肩は炎症によって関節包や周りの組織が硬くなり、肩の動きが制限されます。整体では、関節の動きを妨げている筋肉や組織にアプローチすることで、肩関節の可動域を少しずつ広げていく手助けをします。
筋肉の緊張を和らげて動作を助ける
五十肩になると無意識にかばうような姿勢になり、首や背中、腕の筋肉までガチガチに硬くなってしまうことも珍しくありません。そのため整体では肩だけでなく、関連する首や背中、腕の筋肉の緊張を丁寧にほぐしていきます。筋肉の緊張が和らぐことで、肩にかかる負担が軽減され日常生活の動作が軽く感じられます。
血流を促し回復をサポートする
五十肩で肩が動かせなくなると、その周辺の血行が悪くなりがち。整体の施術は硬くなった筋肉をほぐし、滞りがちな血流の促しをサポートします。血流が改善されることで、炎症によって傷ついた組織の回復が早まり痛みの軽減につながります。
姿勢や体のバランスを整えやすくする
痛みを避けようとすると、無意識に片方の肩をかばったり、前かがみの姿勢をとったりしがち。こうした姿勢は体全体のバランスを崩し、さらに肩に負担をかける悪循環を生み出します。整体では骨盤や背骨の歪みを整え、左右のバランスを改善することで、肩への負担を軽減をサポートします。
五十肩のときに避けたい行動とおすすめの対策
五十肩の痛みがあるとき、良かれと思ってやっている行動が、実は症状を悪化させているかもしれません。ここでは、五十肩のときに避けたい行動とおすすめの対策を紹介します。
悪化を招きやすいやってはいけないこと
まず避けたいのは、強い痛みがある時期に無理なストレッチを行うことです。炎症を悪化させ、回復を遅らせる原因になります。また、「動かさないと固まる」と痛みを我慢して肩を動かすのも逆効果です。さらに、長時間同じ姿勢を続けることや、冷やしすぎ・温めすぎといった極端な対応も避けましょう。
痛みを和らげるためにできること
一方でおすすめの対策としては、急性期には肩を安静に保つことが大切です。炎症が落ち着いてきたら、蒸しタオルなどで無理のない範囲で温め血流を促すとよいでしょう。痛みが和らいできたら壁に手をついて腕を少しずつ上げるなど、軽い運動から始めて肩の動きを徐々に回復させます。
また、睡眠中の負担を減らすために抱き枕を活用する、肩を冷やさないよう工夫するなど、生活習慣の見直しも有効です。セルフケアに迷う場合は、整体師や理学療法士など専門家からアドバイスを受け、自分に合った安全な方法を取り入れましょう。
広島周辺で五十肩にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください！
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