足の親指が内側にグイッと曲がり、付け根がポコッと飛び出す「外反母趾」。
最初は「少し出っ張っているかな」と思う程度でも、放置すると靴が履きづらくなったり、歩くたびに痛みを感じたりと日常生活に支障をきたす恐れがあります。
どうすれば治るのかわからず不安になるかもしれませんが、軽症なら手術をせずに改善を目指すことが可能です。
この記事では外反母趾になりやすい足のタイプや、自宅でできる効果的なケア方法をまとめています。ぜひ、ご自身のケアに役立ててください。
成人の3人に1人が悩む「外反母趾」とは
外反母趾(がいはんぼし)は足の親指(母趾)が小指側へ曲がり、付け根部分が内側に飛び出してしまう状態を指します。
突出した関節が靴に当たりやすくなり、炎症や痛みを引き起こす要因となることもあります。さらに悪化すると歩行に支障が出たり、膝や腰に負担がかかったりと全身への影響も無視できません。
日本整形外科学会などの報告によると、成人の約3人に1人が外反母趾を抱えているとされています。
男性よりも女性に多く見られるのも特徴の一つ。関節や靭帯の柔らかさに加え、ヒールや細身の靴を履く機会が多いことが関係していると考えられます。
初期の段階では自覚症状が少ないため見過ごしがちですが、変形が進むと自然に元に戻すことは難しくなります。早めに気づき適切な対策を講じることが大切です。
どれに当てはまる?外反母趾につながる足の特徴
外反母趾は遺伝によるものだけでなく、足の形や歩き方、靴の選び方など、日常生活の積み重ねも深く関わっています。まずはご自身の足の特徴を知ることから始めましょう。
エジプト型は要注意?指先の長さでわかるリスク

足の形には大きく分けて「エジプト型」「ギリシャ型」「スクエア型」の3タイプがあります。
このうち日本人に最も多いとされるのがエジプト型。親指が他の指よりも長く、突出しているのが特徴です。
エジプト型は靴の中で親指が圧迫されやすくなり、常に負担がかかる状態が続きます。特に先細りの靴やヒール靴を履くと親指の付け根に大きなストレスがかかり、外反母趾リスクが高まるため注意が必要です。
偏平足・開張足が招く足裏バランスの乱れ

偏平足とは足裏の縦アーチが低下し、土踏まずが潰れたような状態を指します。一方、開張足は横アーチが低下し、足幅が広がった状態です。
これらのアーチ機能が崩れると歩行時に足指への負担が増え、特に親指の付け根にストレスが集中します。結果的に外反母趾の進行を促してしまうため、アーチ機能を保つケアが欠かせません。
ヒールや細身の靴が与える“圧迫とゆがみ
つま先が細い靴や高いヒールは体重を前足部に集中させ、足指同士が強く押し合わされる原因になります。その結果、親指が内側に押し込まれ、外反母趾が進行しやすくなります。
加えて圧迫による血行不良も引き起こすため、痛みや腫れが悪化するリスクも。靴選びの重要性は想像以上に大きいといえるでしょう。
手術なしでも改善できる?外反母趾の治し方
外反母趾は、すべてのケースで手術が必要になるわけではありません。
低〜中等度の段階であれば、自宅でのケアや生活習慣の見直しによって進行を抑えたり、痛みを和らげたりすることも可能です。ただし、以下のような場合には手術が検討されることがあります。
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 歩行が困難になるほど変形が進んでいる
- 保存療法(装具療法・リハビリなど)で改善が見られない
- 症状に応じて、整形外科で早めに診察を受けましょう。
自宅で簡単!外反母趾のセルフケア習慣
自宅で取り組めるセルフケアは外反母趾の進行予防に役立ちます。大切なのは無理なく継続できる方法を取り入れることです。
足裏の筋力アップに「タオルギャザー」

床に薄手のタオルを広げ、裸足で立ちます。そのまま足指を使ってタオルを手前にたぐり寄せる運動を行います。
このとき、かかとは床につけたまま、指だけで引き寄せるのがコツです。左右交互に、1日5分ほど続けてみましょう。土踏まずのアーチを支える筋力アップに効果が期待できます。
整形外科でも推奨される「ホーマン体操」

両足の踵を軽くつけた状態で座り、幅の広いゴムバンドを左右の母趾(親指)にかけます。
ゆっくりとゴムを引っ張るようにして、足指を外側へ開いていきましょう。30回から50回を目安に、無理のない範囲で繰り返すと効果的です。
足の親指を鍛える「母趾外転運動」

椅子に座り、足の指をグー・パーするように動かしていきましょう。まず指先をぎゅっと握り込むように丸めたあと、ゆっくりと指を大きく開きます。
この動きをリズムよく10回ほど繰り返すと母趾外転筋を刺激でき、親指の内側への倒れ込みを防げます。
無理に力を入れず、指の動きがスムーズになる感覚を意識しながら続けることが大切です。
足指の柔軟性を高める「ひろのば体操」

ひろのば体操は足指の柔軟性を高め、足元から体のバランスを整えるためのセルフケアです。まず椅子に座り、片足を反対側の太ももの上に乗せましょう。
足の指先を軽く持ち、一本ずつやさしく引っ張るように伸ばしていきます。指と指の間を広げるイメージで刺激を与えるのがコツ。
すべての指を順番に伸ばしたら、最後に手の指と足の指を組み合わせ、やさしく足全体を開くようにストレッチします。
遊び感覚で続けられる「足指じゃんけん」

グー(指を丸める)、チョキ(親指と人差し指を開く)、パー(指を広げる)の形を順に作ります。テレビを見ながらでもできるので、日常の中で気軽に続けやすいエクササイズです。
外反母趾はセルフケアだけでなく施術も視野に
外反母趾は、日常のセルフケアや靴選びの見直しによって、症状の緩和が期待できる場合もあります。
しかし、痛みが強い・変形が進んでいるといったケースでは、専門家による施術を受けることも選択肢のひとつです。
真っ直ぐに戻るとは限りませんが、整体や接骨院などでは足のアーチを整えたり、足指の可動域を広げたりする施術によって徐々に状態の改善を図ることができます。
「自分ではどうにもならない」「長年悩まされている」という方は、一度プロに相談してみるのもおすすめです。
外反母趾の痛み緩和と悪化を防ぐための対策
足裏・足指の筋肉をほぐすストレッチ
外反母趾があると、足裏や足指の筋肉が硬くなりやすくなります。
この状態を放置すると血行が悪化し、痛みや変形の進行を招く恐れも。日頃からこまめにマッサージやストレッチを取り入れることが大切です。
両手で足指を一本ずつやさしくもみほぐす、足裏を押しながら円を描くようにマッサージする、といった方法を取り入れてみてください。お風呂上がりなど筋肉が温まったタイミングで行うと、より血流促進に役立ちます。
外反母趾に配慮した靴選びと正しい履き方
靴選びは、外反母趾対策において非常に大切なポイントです。まず足幅に合ったサイズを選び、つま先に適度な余裕がある靴を選びましょう。
履くときには、かかとを靴の奥にぴったり合わせ、靴ひもやストラップできちんと固定します。足の中でのズレを防ぎ、親指への圧迫を減らすことができます。
ヒールが高い靴や極端に細い靴は、できるだけ避けるのが理想です。
歩くときの痛みを軽減するテーピングの使い方
歩行時の痛みがつらい場合は、テーピングによるサポートが有効な場合もあります。外反母趾専用のテープやキネシオテープを使い、親指を外側に軽く引っ張るように固定しましょう。
無理に引っ張りすぎず、自然な角度を意識することが大切。正しく貼ることで、親指の位置が安定し、痛みの軽減が期待できます。テーピングの巻き方に不安がある時は、整形外科や専門家に相談すると安心です。
外反母趾のセルフケアに役立つ便利グッズの選び方
外反母趾のセルフケアには、便利なグッズを活用する方法もあります。
たとえばサポーター、足指セパレーター、アーチサポート用インソールなどが代表的です。選ぶときのポイントは、無理なく日常生活に取り入れられること、適度なサポート力があることです。
サポーターは親指の位置を補正し、足指セパレーターは指同士の圧迫を防ぎます。インソールは足裏のアーチを支え、歩行時の負担を軽減します。
肌に直接触れるアイテムが多いため、素材にも注意を払いたいところ。初めて使用する場合は、整形外科や専門店で相談し、自分に合ったものを選ぶのもおすすめです。
広島周辺で外反母趾にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!
セラピストプラネットでは、外反母趾や足のトラブルに特化した施術を提供しています。痛みの緩和だけにとどまらず、足の構造や歩行バランスを総合的に見直し、根本からの改善を目指すサポートを行っています。
広島周辺にお住まいの方で、外反母趾にお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。
